「帝国の慰安婦」問題

韓国、それでも親日排除選択

 韓国のソウル高裁が学術書の「帝国の慰安婦」で元慰安婦の名誉を傷つけたとして、朴裕河世宗大教授に有罪判決を下した。日本からみると、学者が書いた書籍の内容について刑法の名誉毀損で有罪判決を受けるなど想像を絶する出来事だ。ただ、今回の判決と、文在寅氏を大統領に選んだ韓国の社会や政治のムードは無関係ではないだろう。

 慰安婦問題をめぐっては2015年、日韓双方が国際社会で非難・批判することを控えると合意している。にもかかわらず、文政権の閣僚は、慰安婦問題の関連資料を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に登録しようとする民間団体を支援すると言い出している。

 文氏の対日観は、大統領選への準備を進めていた1月に出版した対談本によく表れている。その中で文氏は「親日勢力」の「清算(=排除)」を力説していた。文氏は「親日勢力が(日本統治からの)解放後も依然として勢力を握っている」と主張。「過去の古い秩序や体制、勢力に対する歴史交代をしなければならない」と訴えてもいた。文脈から親日勢力とは朴被告と父、朴正煕元大統領、さらに韓国の保守勢力全般を指しているのは明らかだ。文氏は大統領として保守勢力を一掃すると宣言していたのに等しかった。

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