ガーナの金鉱山で水銀汚染深刻化 日本の技術提供で防止構想

 このため丹沢氏らは、産業技術総合研究所の中尾幸道・元主任研究員が平成4年に開発した水銀を使わない製錬法に着目。ガーナ南東部に州や大学などと協力して研究所を設立し、この方法を鉱山で実証するプロジェクトを提案している。

 製錬にはヨウ素とその化合物を溶かした有機溶剤を使う。一般に金は安定で溶けにくいが、この溶剤には簡単に溶ける。日本産の金鉱石を使った実験で、99%以上の高い抽出率で金を回収できることが確認されている。

 中尾氏は「ヨウ素は安全性に優れ扱いやすい。コストが見合うか検討する必要があるが、水銀の代替法として有望だ」と話す。

 8月16日に発効した水俣条約は水銀による環境汚染や健康被害の防止を目指すもので、小規模金鉱山の水銀削減も盛り込まれた。ガーナは3月に条約を締結したが、対策はこれからだ。

 丹沢氏は「水銀を使わない製錬法がガーナで実現すれば、他の途上国のモデルにもなる。研究に必要な資金を集めたい」と企業などの協力を求めている。