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ささいな通行トラブルをきっかけに、相手の男に車で執拗(しつよう)に追い回され、夫婦が命を落とした神奈川県大井町の東名高速道路上の追突事故で、「ロード・レイジ(路上の逆上)」と呼ばれる悪質運転に注目が集まっている。逆上から始まる「あおり運転」は時に深刻な被害を引き起こすが、取り締まりには限界がある。悪意の運転手から身を守るには、どうすればいいのか。
見た目は普通の2人組が…
車から降りた2人組の男がこちらに近づいてきた。男性は震える手で運転席の窓ガラスを下ろした。
「いちびってんなや!」(関西弁で「調子に乗るな」の意味)
罵声と同時にたばこの吸い殻を投げつけられ、つばまで吐かれた。
一昨年、大阪府吹田市の30代男性は神戸市内の一般道路で車を運転中、ロード・レイジに直面した。下車を迫る2人組のけんまくに身の危険を感じ、ドアロックを開錠せず110番。警察官の臨場まで生きた心地がしなかったという。
確かに2人組の車を追い抜いたが、男性側の車線がすいていたから、抜かす形になったにすぎない。直後から急接近や幅寄せを繰り返され、停車せざるを得なくなった。「見た目は普通の中年の2人組。あそこまで怒り狂うものなのか」
相手への報復「ロード・レイジ」
専門家によると、ロード・レイジは、他車の割り込みや追い越しなどに腹を立てるだけでなく、相手方への報復までを意味する。