いじめ認知、前年度比約10万件増の32万件 けんかも対象、小学校で大幅増 重大事態も400件

 文部科学省は26日、平成28年度の児童生徒の問題行動・不登校調査結果を公表した。全国の小中高校と特別支援学校でのいじめ認知件数が前年度から10万件近く増加し、32万3808件と過去最多を更新した。今年3月に改定された文部科学省の「いじめ防止基本方針」でけんかやふざけ合いも調査対象に含まれたため、小学生を中心に件数が伸びた。文科省の担当者は「学校現場がいじめの認知を積極的に行った結果であれば、望ましい傾向」と評価した。

 学校別のいじめ認知件数は小学校23万7921件(前年度15万1692件)▽中学校7万1309件(同5万9502件)▽高校1万2874件(同1万2664件)▽特別支援学校1704件(同1274件)-となった。

 いじめ認知件数が大幅に増えた小学校では、1年生が約1万6千件増の約4万2千件、2年生も約1万7千件増の約4万5千件に上るなど主に低学年での増加が目立った。文科省の担当者は「新たに調査対象となったけんかやふざけ合いは小学校で起きるケースが多いからではないか」としている。

 いじめの種類では全体で冷やかしや悪口などが大半を占めたが、「パソコンや携帯電話での中傷、嫌がらせ」の認知件数が、前年度から1596件増の1万783件に上った。

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