国産初のテレビアニメ「鉄腕アトム」、幻の未放映シナリオ見つかる…手塚治虫の修正指示の書き込みも

 ところが結局、牧野さんのシナリオは採用されず、最終的に21世紀を舞台にアトムが製造された背景にスポットを当てた「アトム誕生の巻」が放映された。不採用の理由ははっきりしないというが、大塚教授は「テレビで子供向けに最初に作るアニメとしては難しすぎるとか、いろんな意見が出たのでは」とみる。

 そのうえで、今回発掘された資料について「『鉄腕アトム』に隠された手塚さんの強い意図と意気込みが感じられ、人間の存在を見つめ直そうとした深いテーマ性もうかがえる」と話している。

 【プロフィル】手塚治虫(てづか・おさむ) 漫画家。昭和3年、大阪府豊中市生まれ。兵庫県宝塚市で育つ。大阪大付属医学専門部在籍中の21年、4コマ漫画「マアチャンの日記帳」でデビュー。数々の漫画作品をヒットさせ、「鉄腕アトム」「ジャングル大帝」などのアニメ作家としても活躍した。平成元年、60歳で死去。主な作品に「リボンの騎士」「火の鳥」「ブラック・ジャック」など。