2009年には長年韓国のカトリックを導いてきた枢機卿が死亡時に角膜提供したことで、ドナーの申請者数が急激に増加した。さらに、ドナーの栄誉をたたえる記念公園などを造り、定期的に遺族を招待して、追悼行事を催しているという。
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本日から5回連載で、法施行から20年となった臓器移植を考える。
■臓器移植法
脳死と判定された人からの臓器提供を可能にする法律で、平成9年10月16日に施行された。当初、臓器提供ができたのは「生前に本人が書面で意思表示をしていた15歳以上」のみとされていた。22年7月17日に改正法が施行され、本人の意思が不明でも家族の承諾だけで提供が可能とされたほか、15歳未満からの提供も認められた。
■日本臓器移植ネットワーク
臓器移植法に基づき、臓器の斡旋(あっせん)を行う日本唯一の組織。死後に臓器を提供したいという人(ドナー)と、臓器の移植を希望する人(レシピエント)の橋渡しをしている。