希望の党に入党しなかった(できなかった?)政治家たちが集まり、「立憲民主党」を立ち上げた。主義主張にはまったく賛同しないが、政治家としての筋を通しており敬意を払いたい。政治家であり続けるため、昨日までの主張をかなぐり捨てる政治家よりよほど信用できる。(夕刊フジ)
彼らが重視するのは立憲主義だ。立憲主義とは、権力の暴走を食い止めるために、憲法で権力を縛ることを意味している。権力者であっても従わねばならぬ法があるというのが、立憲主義思想の肝である。
現在の安倍晋三政権が「立憲主義を踏みにじっている」との指摘は、まったく的外れな主張と私は思うが、「立憲主義」そのものは重要だ。権力の暴走を食い止める仕掛けを作っておくことは、リベラル・デモクラシーの基礎だといってもよい。法を超越して統治するヒトラーのごとき僭主(せんしゅ)の登場は、政治制度として否定しておかねばならない。
だが、「立憲主義」を守りたいというのならば、立憲民主党が共産党と連携するのでは筋が通らない。なぜか。
共産党は自衛隊を「違憲の軍隊」と位置付けている。確かに、憲法9条を虚心坦懐(たんかい)に読み返せば、「戦力」を放棄し、「交戦権」を否定している憲法を戴(いただ)きながら、日本に自衛隊が存在していることは、不思議な現実といってよい。