歴史戦

慰安婦資料のユネスコ記憶遺産登録に反対声明 明星大の高橋史朗特別教授ら学者89人

高橋史朗氏(村嶋和樹撮影)
高橋史朗氏(村嶋和樹撮影)

 日中韓を含む8カ国の民間団体などが国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」(記憶遺産)に慰安婦問題関連資料の登録を共同申請していることに関し、日本の学者89人が16日、登録反対の声明を発表した。声明は、申請手続きと申請資料の内容に問題があるとして、登録可否を審査するために24日からパリで開かれる国際諮問委員会(IAC)前に8カ国の民間団体などとの対話を要求している。

 呼びかけ人の高橋史朗明星大特別教授は16日、東京都内で記者会見し「ユネスコが平和友好と相互理解の促進を目的としている限り、対話の拒否はユネスコの精神に反する」と述べ、ユネスコ側が対話の機会提供に応じていないことを批判した。

 声明は、ユネスコが2015年に遺産登録した「南京大虐殺文書」が、いまだに公開されていないことを非難。慰安婦の募集方法に関しても「具体的証拠を示さずに強制性を強調し、慰安婦と性奴隷を同一視していることは歴史的事実に反している」などとして、複数の問題点を指摘した。

 慰安婦問題の資料は、すでに登録小委員会の審査を経て、IACに登録勧告されたとみられている。IACの審査結果はボコバ事務局長に諮問され、登録が決定するが、事務局長はIACの諮問を追認するのが通例となっている。

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