荒金雅子の『多様性の未来』(2)

成果を出せない焦り、5つのカベ見直して

 最近「ダイバーシティ疲れ」という言葉をちらほら聞く。「さまざまな取り組みを行ってきたが、結果につながらない」「制度や仕組みは十分なのに、不満が後を絶たない」など。ダイバーシティ(多様性)や女性活躍の推進が望む成果につながらない企業の焦りとあきらめの声だ。

 共通するのは、意義や目的が理解されないまま、制度や施策だけを進めたことだ。問題のとらえ方とその解決策がずれているのだ。ダイバーシティは一筋縄ではいかないテーマ。だからこそ、そのカベの正体を理解することが重要だ。ダイバーシティ推進を阻む5つのカベに目を向けてみよう。

 量のカベ…ハーバード大学教授ロザベス・モス・カンターは「黄金の3割理論」を唱えている。組織における構成比が3割以下だと現状維持の力が強く働き、変化が起こりにくくなる。

 意識のカベ…長年続いた組織には、暗黙のルールや見えない意識のカベがある。この「無意識の偏見」は、無意識だからこそ、理解を阻むやっかいなカベとなる。

 スキルのカベ…多様な意見から合意を作り出すのは大変だ。だが対立や衝突を扱うスキルのトレーニングは十分に行われていない。

 時差のカベ…ダイバーシティ推進は時間がかかる。すぐに結果が出ないことも多いが、スピードを重視しすぎると効果は半減する。

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