主張

衆院選と経済政策 回復実感得られる成長策語れ ユリノミクスは立ち位置を明確に

 野党がこれらの成果をやみくもに否定するのは不適切だ。ただ、企業のもうけが増えた割に正社員の賃上げは伸び悩み、消費に力強さがないのもまた事実である。

 日銀による2%の物価上昇率目標の達成時期が6度も先送りされるなど、期待通りでないものも多い。その現実に向き合わぬまま、自民党がアベノミクスの加速を唱えるのは説得力を欠く。

 経済が成長しても勢いがみられないのは、先進各国に共通する悩みでもある。とりわけ、長期デフレで「失われた20年」を経験した日本はその傾向が強く、企業も家計も、経済の先行きを慎重にみる縮み思考が根強く残る。

 0%台後半にとどまる潜在成長率を高めるため、規制緩和や制度改革などに腰を据えて取り組むことで、ここから脱したい。

 自民党は、ロボットや人工知能(AI)技術を活用した「生産性革命」などを掲げている。労働生産性を高めて成長の流れを確かなものとしたい狙いは妥当だが、政策効果を十分吟味したのか。

 「ユリノミクス」を旗印とする希望の党は、金融緩和や財政出動に過度に依存せず、規制改革などで民間活力を引き出すという。金融・財政政策と比べ成長戦略が不十分と指摘される安倍政権との違いを際立たせたいのだろう。

 既得権益層が反発しようとも岩盤規制を打破するのか。その立ち位置を明確にしてほしい。

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