それでも、ロボット工学には魅力や将来性がある。機械が自由に移動するための正解はひとつではないからだ。ボストン・ダイナミクスの恐ろしく敏捷な4本脚の運搬ロボットは、素晴らしい安定性を備えている。狭い隙間にもぐりこめるゴキブリ型ロボット[日本語版記事]が、崩壊した建物を調べるために、瓦礫の中を這いまわる日が来るかもしれない。ロボット化が進むいま、2足歩行ロボットにうってつけの居場所が見つかるかもしれない。たとえば、廃炉になった原子力施設で梯子を上って弁をひねるなどといった人間的な仕事だ。
Cassieには、まだ腕がない。行き先は人間が指示しなくてはならない。しかし、これから2足歩行ロボットはさまざまな場所に行くことになるだろう。エヴェレスト山の頂上に行くのは当分無理だとしても、行けるところはいろいろある。