まるで鳥…2足歩行ロボットのいま 効率的と安定を追求した結果「ヒクイドリ」の歩行に(動画あり)

研究目的から、マーケット狙いへ

Cassieの原点は、「Atrias」(アトリアス)と名付けられた別のロボットだ。Atriasは、2足歩行の物理的特性の解明に役立てるべくつくられた研究用ロボットだ。Atriasにフォースプレート(床反力計:歩行や走行などの動作の力学的計測を行う装置)の上を歩かせると、その力学的動作は人間のものと一致するほどだ。ただし、限界もある。Atriasは歩行の科学的概念をテストするためにつくられたものであり、工学的な丈夫さを示すものではないため、耐久性の点でいくつかの問題を抱えていた。

一方のCassieは、長期運用するべくつくられた。両者の違いを、アジリティ・ロボティクスCEOのダミオン・シェルトンはスペースXとアポロ計画にたとえて説明する。「アポロ計画からは数多くの優れた科学的知識が得られましたが、長期的な技術ソリューションとしての実用性や耐久性はありませんでした」

CassieはAtriasを高度に進化させたものだ。研究所を出て、マーケットに進出するためのロボットだ(アジリティ・ロボティクスには、Cassieを労働力として配達や発電所の検査などに利用するという大きな計画がある。現在のところ、Cassieは研究目的での入手が可能)。

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