福島県「コメの全袋検査」見直し検討 問われる費用対効果 風評被害を助長の声も

放射性セシウム検査のために1袋30キロのコメ袋をベルトコンベヤーにのせる担当者。収穫のピーク時にはこの作業が早朝から深夜に及ぶこともあるという=福島県本宮市
放射性セシウム検査のために1袋30キロのコメ袋をベルトコンベヤーにのせる担当者。収穫のピーク時にはこの作業が早朝から深夜に及ぶこともあるという=福島県本宮市

 福島県は、東京電力福島第1原発事故後に行ってきた県産米の放射性セシウムの全袋検査について、その体制を見直す検討を始めた。全袋検査は当初、消費者に「安全」をアピールするためだったが、最近は検査が逆に風評被害を助長しているとの声も上がる。事故発生から6年半以上が経過し、多額の費用をかけた検査の意義が問われている。(平沢裕子)

※「安心」のために

 国が行う放射性セシウム検査は、検査対象から一部を抜き取って調べる「モニタリング(監視)検査」が基本だ。福島県でもコメ以外の農水産物はモニタリング検査を実施している。平成28年度は510品目、2万1180点を検査。このうち基準値を超えたのは6点で、ほとんどが基準値以下だった。

 一方、同県が24年から実施してきたコメの全袋検査は、特注した測定装置でコメ袋(1袋30キログラム)のまま検査する。合格したコメ袋には「検査済み」のシールが貼られることで、消費者に「安全」をアピールする狙いもあった。

 県水田畑作課の二宮信明副課長は「コメの場合、同じ田んぼでも汚染度合いにばらつきがあり、モニタリング検査では基準値超のコメが出荷される恐れがあった。安心して福島のコメを食べてもらうには、全てを検査する必要があった」と説明する。

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