衆院選投開票(22日)まで1週間となった15日、各党の党首は各地で支持を訴えた。多くの地域が雨模様となった「選挙サンデー」の党首の演説を10日の公示日の第一声と比較すると、序盤情勢で優位に立つ安倍晋三首相(自民党総裁)ら与党は経済政策に力を注ぐようになり、希望の党の小池百合子代表(東京都知事)は首相批判を強めている。(水内茂幸)
「自民、公明両党が政権を奪還したときのことを思い出してほしい。今日のお天気と違って、日本中を黒い雲が覆っていたんです」
首相は札幌市の街頭演説で青空を見上げてこう述べ、旧民主党政権と比べ雇用や賃金を改善したと胸を張った。重視するのはアベノミクスの成果で、第一声は全体の3分の1だったが、15日は半分を割いた。
背景には、多くの民進党前職が合流した希望の党との差別化があるとみられる。希望の党の公約は、消費税増税を凍結する代替財源として大企業の内部留保金への課税検討など、大衆迎合的な政策が並ぶ。自民党幹部は「淡々と経済の実績を訴えるだけで違いをアピールできる」と語る。