松山で子規、漱石、極堂生誕150年記念式典 俳人の坪内さんら講演

 ■「仲間と作る文芸広げた」

 俳人・正岡子規と文豪・夏目漱石、子規の顕彰に携わった柳原極堂-の3人の生誕150年を記念した式典が14日、松山市の市立子規記念博物館で開かれた。子規研究の第一人者で俳人の坪内稔典さんや日本文化研究者のロバート・キャンベルさんらによるパネルディスカッションなどがあり、「領域を超えて仲間と文学活動した子規や漱石、極堂を見直すとき」と提唱した。

 式典には市民ら約400人が参加。坪内さんは基調講演で「子規は病気を楽しんだ超老人」としたうえで「病床にありながら、仲間とともに作る文芸を全国に広げた」と魅力を語った。 この後、同館の竹田美喜館長の進行で坪内さんとキャンベルさん、同市出身の若手俳人・神野紗希さんを交えたパネルディスカッションが行われた。

 国文学研究資料館(東京都)の館長として日本文学の情報発信を担うキャンベルさんは「協調が社会的な課題となっている今、子規の文学革新運動や生き方は重要なエッセンスを持っている」と指摘した。

 また、神野さんは「俳句はいつでも、どこでも誰でもできる」と世界的な広がりを視野に入れ、インターネットを活用した句会などを提案し、参加者は熱心に聞き入っていた。

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