来年2月の平昌冬季五輪が北朝鮮リスクにさらされている。フランスやオーストリアが安全への不安を理由に不参加を検討していると報じられたこともあり、開催国の韓国が各国の不安解消に神経をとがらせているのだ。韓国は、国連総会に平昌五輪期間中に世界中の紛争を中断しようという休戦決議案も提出したが、国連安全保障理事会の非難声明や制裁決議案にも敵対的な姿勢を強める北朝鮮への抑止力になるかは疑問符のつくところだ。
安全性への懸念
「不参加ドミノを心配している。海外から見る不安を解消することができるように対処して広報するのが重要だ」
韓国紙・中央日報(日本語電子版)によると、韓国の都鍾煥(ト・ジョンファン)文化体育観光部長官は9月26日、ソウルでの記者懇談会でこう述べ、平昌五輪の安全性を海外にアピールすることの重要性を強調した。
聯合ニュース(同)によると、直前の同月21日にはフランスのフレセル・スポーツ相が地元メディアとのインタビューで「安全が確保されない場合、フランス選手団は国にとどまる」と話したと報じられていた。
韓国文化体育観光部の次官が翌22日にフレセル氏と直接面会して確認したところ、「不参加に言及したこともなければ、検討したこともない」「インタビュー内容を歪曲され報じられた」などと述べ、フランスは平昌五輪に選手団を派遣すると明言したという。