萩尾望都さんがJXTG児童文化賞を初受賞 まもなくデビュー50年 少女漫画をリードし続け

 続編を求める声は常にあったが、高い評価と萩尾さん自身の思い入れも強い作品であるが故に、なかなか踏み切れなかった。ところが昨年、作家の夢枕獏(ゆめまくらばく)さんから強く勧められ、「短い番外編なら」とその気になったらアイデアが一気に広がり、新作「ポーの一族 春の夢」シリーズとして連載されるまでに。

 「私の絵柄は変わりましたが、作品の世界には40年のブランクをまったく感じることなく一気に戻ることができましたね。『こんなに待たせて申し訳なかったね』とエドガーたちに謝りたい気持ちです」

 宝塚歌劇の舞台化も、かれこれ30年越しの実現となる。ロマンチックなラブストーリーをテーマにしてきた宝塚が、若者たちを主人公にした、永遠の時を生きる吸血鬼一族の世界をどう描くか。注目の舞台となりそうだ。

 以前は1日「4枚」描いていたペースが「2枚」になったが、漫画への情熱はいささかも衰えることがない。新しい作品にも関心を持ち、最近では、『進撃の巨人』にひかれたという。「漫画は読むのも好きですから。どういうものが求められているのか、は日々変わってゆく。アンテナは常に張っていたいんです」と語った。

【プロフィル】萩尾望都

 はぎお・もと 昭和24年、福岡県出身。44年『ルルとミミ』で漫画家デビュー。1970年代に発表した『ポーの一族』『トーマの心臓』『11人いる!』などで幅広い人気を集め、常に少女漫画界をリードしてきた。平成24年、紫綬褒章受章。

【用語解説】JXTG(旧東燃ゼネラル)児童文化賞

 昭和41年創設。日本の児童文化発展・向上に貢献した団体・個人に贈られる。過去の受賞者は作家の角野(かどの)栄子、詩人の谷川俊太郎、作家の阪田寛夫(ひろお)の各氏らがいる。