自民党憲法改正推進本部長の保岡興治元法相(78)は8日、鹿児島市で記者会見し、衆院選への立候補を取りやめると表明した。膵(すい)臓(ぞう)がんが見つかり、治療に専念するためとしている。政界は引退する。
保岡氏は10日公示の衆院選で鹿児島1区での公認が決まっていた。保岡氏の出馬取りやめを受け、自民党鹿児島県連は8日、後継の候補者に、秘書を務める長男、宏武氏(44)を擁立する方針を決めた。
裁判官出身の保岡氏は昭和47年の衆院選で初当選し、当選13回。法相を2回務めた。
最近は党憲法改正推進本部長として安倍晋三首相(自民党総裁)が提案した憲法9条の改正などについて党のとりまとめ役を担っていた。保岡氏は「衆院選後は憲法改正の道が新たに進んでいく。その先頭の立場であることを考えると、ここで議員を辞めるのは断腸の思いだ」と述べた。