バキュームカー不足などで災害トイレ事情深刻化 「関連死の拡大要因に」と懸念の声 南海トラフ地震で関連死100万人想定も

 災害時のトイレ不足により、飲食を控え体力を消耗するなどし関連死につながる-との認識は定着しつつある。熊本地震では避難所で食中毒が発生したことなどから、衛生問題として災害トイレの整備を避難対策の最重要課題にあげる防災研究者もいる。しかし、使いやすいトイレは依然少なく、災害トイレの専門家は「洋式化や既存トイレの組み合わせなど必要」と工夫を促している。

 昨年の熊本地震の際、テント村を設置し、車中泊の避難者約600人を支援した登山家の野口健さんは「快適なトイレ整備に特に配慮した」という。

 当時、車中泊によるエコノミークラス症候群(運動・水分不足等で生じた血栓が肺動脈をふさぎ突然死を招く)が心配されていた。テント村では水分補給を避難者に呼びかけるが、当初和式の仮設トイレしかなく、水分補給を控える避難者が多かったという。

 このため、テント村では、洋式仮設トイレ10基と、排泄(はいせつ)物が自動で完全密閉される洋式の「ラップポン」5基を設置。ラップポンはにおわず、清潔であることから、女性と子供用に使用された。結果、1カ月間のテント村生活で体調を崩した避難者はいなかったという。