華麗なる宝塚

柚香光「男役10年」を前に責任感 ザ・少女漫画「はいからさんが通る」準備万端

 高い壁に挑むとき、いつも芹香と一緒だった。「ご自身も大変なときに、プルプルと震える私を助けてくださったことが、走馬燈のように蘇ります」。別れの時が迫る今、その存在の大きさが身に染みる。「どんなときも、すっと前を見つめて立っていらして本当に心強かった。これから、私もそうあれたら」

 昨年は女役をはじめ、「想像を超える濃い、個性的な役柄」を演じ、芝居の幅を広げた。「芸も精神的にも毎日が修行でした。でもあの1年があったからこそ、何でもやれると思える。今、肩の力を抜いてお芝居ができています」

 目標の「柔軟である」ために、積極的にさまざま年代や職業の人と交流し、多様な考え方を知り、刺激を受けたいと考えている。きっかけは、11月と来年に前後編で公開される「はいからさん-」初の劇場版アニメで少尉を演じる声優、宮野真守氏との対談。

 「アクターという点では似た仕事なんですが、いつも私の周りにいる人とは少し違う。言葉のチョイス、リズム感が新鮮で、すごく楽しくて刺激を受けました。一歩外に出たら、こういった魅力的な人がたくさんいるんだろうなって」。いっそ外部出演も、と水を向けられると、「すごくしてみたいです!」と笑顔が弾けた。視野も、夢も、広がっていく。

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