唐突な政党結成の発表に始まり、民進党からの合流者を厳しく選別するかと思えば、一挙に200人近くの候補者を擁立する。
希望の党の小池百合子代表(東京都知事)の手法はそのつど、話題を集めている。
だが、この政党は日本の将来をどう描いているのか、という肝心のことがどれだけ見えてきただろう。
小池氏は、今度の衆院選を政権選択と位置づけながら、誰を首相候補にするのかをはっきりさせていない。それが最大の理由ではないか。
しかも、小池氏は自らの出馬を否定している。いわば、真に国政に責任を負うという意味での「御輿(みこし)」を持たないまま、祭りを始めている。有権者は戸惑わざるを得ない。
首相指名選挙は衆院選後の特別国会で行われる。新議員らの最初の仕事だ。憲法67条の規定で、国会議員しか首相になれない。衆院選に不出馬なら、小池氏は首相を目指さないということだ。
小池氏や側近とされる若狭勝前衆院議員は、首相指名選挙の対応を問われても、衆院選の結果を見て判断すると繰り返している。