ソロモンの頭巾

長辻象平 今夏の多雨 伊勢杉が語る地球寒冷化の時代

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 そうしたことを考えていたときに、武蔵野美術大学の准教授で太陽物理学者の宮原ひろ子さんらによる日本の古気候の研究が、国際第四紀学連合の学会誌に掲載された。

 寒冷な気候が支配的だった近世小氷期に雨が増えていたことを、伊勢神宮(三重県伊勢市)の樹齢459年の杉の古木の年輪中の酸素同位体比の分析で突き止めたという内容だ。

 とりわけ、近世小氷期の末期に当たる1780〜1880年の間の雨量増加が顕著だった。

 総合地球環境学研究所(京都市)の中塚武教授や東京大学大気海洋研究所の横山祐典教授らとの共同研究。分析に用いた直径1メートルを超える杉の木は、伊勢湾台風(1959年)で倒れたものだ。その後、京大に保管されて今回の貴重な研究資料となった。

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