希望の党(代表・小池百合子東京都知事)が3日に発表した衆院選の第1次公認候補者名簿からは、苦肉の調整があった形跡がうかがえる。民進党を飛び出して立憲民主党から出馬する前職には積極的に「刺客」を差し向ける一方、無所属で立候補する民進党出身の前職には公認候補者をぶつけることを見送るなど、戦略も浮き彫りになった。
「苦渋の思いもしながら、つらい作業だった」
希望の党との候補者調整を担った民進党の玄葉光一郎総合選対本部長代行は3日、公認発表の記者会見で胸の内を語った。玄葉氏は1次公認192人のうち民進党の公認内定者は110人に上ることを明らかにした。
公認された前職で、平成26年の前回衆院選で出馬した選挙区から別の選挙区に移る「国替え」となったのは、東京5区と東京8区ぐらいで、基本的に地盤が保証された。
公明党の立候補予定者がいる選挙区には擁立が見送られた。小池氏の威光が強い東京では、小池氏とパイプがある自民党東京都連会長の鴨下一郎元環境相の13区が埋まっていない。
希望の党と民進党で激しい綱引きがあったのは秋田1区だ。民進党前職の寺田学氏の地盤だが、希望の党側が元民進党県連代表の松浦大悟氏の公認を求め、骨肉の争いが展開された。松浦氏が選挙区、寺田氏が比例代表東北ブロック1位で処遇される方向となった。