カタルーニャ独立投票 スペイン 中央と州、埋まらぬ溝 徴税権交渉が火種

 ところが、ユーロ危機で中央政府のラホイ政権が緊縮財政に乗り出すと、カタルーニャ州では「われわれの税金がほかの地域に使われるから、州が貧しくなる」という不満が高まった。同州は国内総生産の2割を占め、持ち出しが多かったからだ。州首相だったマス氏は州への徴税権移管をラホイ首相に要求したものの、ラホイ氏は完全拒否。これが14年と今年の住民投票強行につながった。

 ラホイ氏はマス氏ら州幹部を「違法選挙実施」で訴追したため、関係はさらに悪化。プチデモン氏は「(独裁の)暗黒時代への逆行」という言葉で中央政府を批判した。ラホイ氏が率いる保守与党・国民党はフランコ政権の流れをくむ。

 スペインではフランコ独裁の反省から、地方の権限が拡大され、日本の道州制論議のモデルにもなった。ただ、カタルーニャ州の独立論は、欧州連合(EU)内で平和の恩恵が続くことを前提に、国防費や治安の負担を無視したもの。「地域エゴ」との批判もある。

 EUのユンケル欧州委員長は9月、仮に同州が独立した場合、EU入りには申請をゼロから行う必要があると表明。独仏など近隣国は住民投票は「内政問題」として距離を置いている。

会員限定記事会員サービス詳細