ギャンブルをやめられない「ギャンブル依存症」が疑われる成人(75歳未満)が全国に約320万人(3・6%)いると推計されることが29日、久里浜医療センターなどの研究班の全国調査で分かった。諸外国のこれまでの研究結果と比べて高く、研究班代表の松下幸生・同センター副院長は「単純比較はできないが、パチンコなどギャンブルが身近にありいつでも利用できる環境が影響している可能性がある」としている。
調査は5〜6月、全国の20〜74歳の男女1万人を対象に行われ、4685人が面接での調査に回答した。
このうち、過去1年間に限ってギャンブル依存症が疑われたのは0・8%(32人)で、日本全体では約70万人と推計される。男性1・5%に対し、女性は0・1%だった。平均年齢は46・5歳で、掛け金は1カ月平均で約5・5万円。最もお金を使ったのは、パチンコ・パチスロ(26人)が突出して多かった。
諸外国で過去に行われた同様の調査では、オランダ1・9%、フランス1・2%、スイス1・1%などとなっており、日本の3・6%は高い。
ギャンブル依存症をめぐっては、平成25年度に厚生労働省研究班が行った依存症に関する調査で4・8%とされていたが、ギャンブル依存に限った調査は今回が初めて。