この衆院選で現副総理兼財務相の麻生太郎率いる自民党は大敗し、鳩山由紀夫率いる民主党が政権を発足させた。当時は政権交代への期待感が異様に強かったこともあるが、最大の敗因は野党が「反自民」で一致結束したことにある。
「1強」と言われる自民党だが、反自民勢力が一つにまとまると意外なほどもろい。希望の党創設に伴う、ここ数日の電撃的な動きは8年前のあの日を彷彿とさせた。
つい1週間前まで絶望に打ちひしがれていた民進党議員の表情が急に明るくなったのはこのためだ。希望の党に衣替えした元民進党議員は今後3週間にわたり、ひたすら「安倍政権打倒」を訴えるに違いない。
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水面下で一体何が起きていたのか-。
前原が希望の党合流に向け、動き出したのは9月18日。産経新聞が17日付朝刊1面で「首相、衆院解散を決断」と報じたのがきっかけだった。
小池新党の動きを受け、民進党では離党者が続出していた。前原は離党者に「刺客」を立てる方針を示す一方、裏では共産党との選挙協力を進めていたが、内心忸怩たる思いだった。
「共産党と選挙協力したところで小池新党と『刺し合い』になれば、自民党に漁夫の利となるだけ。民進党は存亡の機を迎える」