マンハッタンの風景

有名投資家が下した「ご託宣」 現在の米経済は1937年に酷似?

 今の米国は超金融緩和を通じて、金融危機を乗り越えたが、ついにFRBが政策金利引き上げに乗り出している。

 資産縮小も市場に織り込まれており、「金融引き締め局面の初頭である点で似ている」とダリオ氏は語る。

 金融危機以降、「37年に似ている」と話題になった局面がこれまで2回あった。

 最初は2011年夏。欧州金融危機のさなか、格付け会社が米国債の格下げを発表。債務上限引き上げ問題で財政支出を削減する計画が明らかになり、株価が下落した。

 2回目が13年夏前。当時のバーナンキFRB議長が「出口政策」を示唆したため、長期金利が急上昇した。

 「ダリオ発言」に金融関係者が反応するのは、北朝鮮問題という地政学リスクが顕在化しているためでもある。大恐慌という経済面が第二次世界大戦の遠因になったことは誰でも知っている。

 37年と現代は、「格差が拡大した結果、ポピュリズムが台頭している点でも酷似している」とダリオ氏は語る。30年代も世界各国にポピュリズムが広がった。

 低金利は格差是正にはつながらないが、少なくとも経済のパイは縮小しない。社会不安の高まりを防ぐためにも、利上げペースは意外にも緩やかになるのかもしれない。

(ニューヨーク駐在編集委員 松浦肇)