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フルート奏者の榊原麻理子さん(36)は、フォーク・デュオ「ダ・カーポ」で活躍する夫婦、榊原まさとしさん(68)と広子さん(66)の長女。現在の仕事となっているフルートを始めたのは、小学3年のとき、まさとしさんに勧められたのがきっかけだ。
「5歳からピアノを習っていましたが、違う楽器もやってみたいと思っていたころでした。父がフルートを勧めたのは、音色が母の歌声に似ていたからだそう。そんな理由で勧められたとは、子供のころは全く知りませんでしたが」
フルートは、息を吹き込む角度や息の強さ、肺活量などさまざまな条件がそろって音が出る繊細な楽器。高い音が出にくいなど思ったような音にならず、「もういや!」と練習を投げ出しそうになったこともあった。そんなとき、まさとしさんは麻理子さんに曲を吹かせ、「麻理子はこの曲にどういうイメージを持っているの? お父さんはこういう感じがするんだけど、そういうふうに吹いてみたら」とアドバイスした。
「父の言葉は気持ちの面を押し上げてくれ、すごくありがたかった。どんな吹き方をしても絶対に否定せず、父に言われると『こういうふうに吹きたい』という気持ちになった」