起訴休職の上限「合理的」、阪大元助教の請求棄却

 認知症の母親を死亡させたとして傷害致死罪に問われ、裁判で無罪を争っている間に起訴による休職の期限が過ぎて解雇された大阪大歯学部の元助教、佐保輝之さん(57)が、失職の要件に当たらない暴行罪での罰金刑が確定したため復職を求めた訴訟の判決が25日、大阪地裁であった。内藤裕之裁判長は「解雇には合理的理由があった」として請求を棄却した。佐保さん側は控訴する方針。

 起訴休職の上限を2年とする阪大の就業規則について、佐保さん側は「合理性がない」と主張したが、内藤裁判長は、事件の1審判決で佐保さんが懲役8年とされたことを踏まえ「相当期間勾留が継続し、労務提供できないことが見込まれ、降任などにとどめる余地はなかった」と指摘。上限設定や解雇の判断には合理性があったと判断した。

 判決によると、佐保さんは平成23年に自宅で母親=当時(80)=に暴行し死亡させたとして起訴された。裁判では「暴れる母親を止めただけ」と無罪を主張したが、1審で懲役8年とされ、控訴中に休職期間満了で解雇された。控訴審では死亡と暴行との因果関係が否定され、罰金20万円の刑が確定した。

 判決後に会見した佐保さんは「起訴された人が無罪を訴えている間は無制限にするなど、起訴休職制度を見直すべきだ」と話した。

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