ニッポンの議論

中学高校の部活 「学校教育から切り離せ」VS「教員に『指導』の教育を」

 --今年度から部活動指導員という外部指導者が顧問に就任できる

 「制度が整えられたという意味では大きな前進だ。部活指導を教員だけで回すのは無理。大会への引率を行う外部指導者がいれば、教師がいなくても活動できる。今年3月、栃木県那須町で起きた雪崩事故では、登山講習会に参加した高校山岳部の生徒7人と顧問1人が亡くなった。顧問の教師は山岳部の経験がなく、おそらく生徒よりも山を知らなかった。現在の部活の顧問のうち、担当スポーツの競技経験がない教員は約半数。専門性のない教員が指導すれば、けがも事故も起きやすく、皆が被害者になる」

 --部活の時間を制限しようという議論がある

 「1週間に休養日を設けていない中学は22・4%あり、1カ月間に土日の休養日を設けていない中学は42・6%にのぼる。しかし、今の議論は週6日の活動を週5日に減らす程度で効果が見えない。活動日を今の半分程度に制限すれば、部活をやりたい教員と外部人材で運営できる可能性がある。教員の負担を減らすためには、活動日数や参加大会数の制限によって部活の総量を規制するという変革が必要だ」

 --部活を学校から切り離し、地域のスポーツクラブなどに移行させようという動きもある

 「賛成だ。地域に人材がいない場合は簡単にはいかないが、選択肢の一つ。運動部活の目的が生徒の体力向上にあるなら、体育の授業を増やすことを議論すべきだ。部活で経験したスポーツを生涯に渡り継続できるようにするには、学校管理下から離れ、他校の生徒も入り交じりながら、大人の趣味の活動と同じように行うといい。学校とは異なる人間関係を築けるように援助し、公的サービスとして費用を補助していく方が現実的だ」

 うちだ・りょう 昭和51年、福井県出身。41歳。専門は教育社会学。名古屋大大学院教育発達科学研究科博士課程修了。愛知教育大講師などを経て平成23年から現職。著書に「ブラック部活動」など。