ロシアの事例では、任意の内容で4000〜6000字の記事を国内のニュースサイトに掲載する費用は55万円から。中国では同様のサービスが9800円(記事作成料含む)からとなっている。
さらに記事に添えるキャスターがニュースを読んでいるかのような画像も無料提供されているサイトがあり、こうした画像は偽の情報に信憑性を与える効果もあるという。
次にリツイートやコメントのほか、「いいね」やフォロワーなど、さまざまなサービスや他ユーザーからの支持を示すポイントを購入することで、効率的に拡散できるというわけだ。
同社によると、5月上旬のフランス大統領選では、確認できた範囲で5400以上の不審なアカウントが偽情報の拡散を行っていたという。拡散を「先導」したアカウントの一部には、同月下旬の英マンチェスターのコンサート会場で起きた爆破テロの際、偽情報の拡散に使われていた。
「フェイクニュース」という言葉が日本で認知された昨年11月の米大統領選でも、同様の情報操作が疑われていたという。
同社の岡本勝之セキュリティエバンジェリストは「以前は噂を流して拡散させるという活動は、効率が悪く金がかかることだったが、現在は安価で効果的にできる状況が作られている」と指摘。扇動されないため、誇張された記事の見出しだけで事実を判断することを避けたり、別のメディアでも報道内容をチェックしたりすることなどを呼びかけている。