電通公判

「社長の言葉を信じることはできません」 高橋まつりさん母のコメント(全文)

 大手広告会社の電通の違法残業事件の初公判後、過労自殺した高橋まつりさん=当時(24)=の母、幸美さんは22日、記者会見で次のようにコメントした。全文は次の通り。

 「本日、公の刑事裁判で、電通が長年行ってきた社員に対する法律違反が明らかにされ、裁かれたことは、複雑な心境ですが、感慨深いものがありました。これまで捜査に当たられた労働局、検察官の方々に感謝いたします。また、裁判所が遺族の傍聴席の確保をしていただいたことに感謝いたします。

 検察官が、再三指摘されたように、電通は、社の利益を優先させ、是正勧告を何度も受けたにもかかわらず、労働時間を引き下げる対策をとらず、36協定の上限を引き上げたり、サービス残業をせざるをえない状況をつくりました。そして、深夜労働や休日労働をいとわない状況が続くなど、会社の認識の甘さとおざなりな対応があり、社員の精神的肉体的苦痛ははかりしれないものであった、との検察官の指摘は、本当にそのとおりだと思いました。

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