北朝鮮危機

罵倒の裏に米への恐怖 北、建国初の最高指導者声明 強硬措置「慎重に考慮」と逃げ道

 【ソウル=名村隆寛】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が21日に自ら発表したトランプ米大統領を非難する声明からは、「北朝鮮の完全破壊」に言及したトランプ氏の国連演説を、金正恩氏が極めて敏感に受け止めている様子がうかがえる。一方で「史上最高の超強硬対応措置の断行」を「慎重に考慮する」とし、米国との軍事衝突は避けたいという本音ものぞく。

 トランプ氏を呼び捨てにした金正恩氏は「狂態」「火遊びを好むならず者」「ごろつき」「老いぼれ」などと罵詈(ばり)雑言を繰り返した。これらの悪罵(あくば)は、北朝鮮メディアが日常的に使っており、珍しくない。だが、北朝鮮にとって重大なのは、最高指導者が直々に発し、前例もないという点だ。

 米大統領から先例のない警告を受けた金正恩氏としては、国連安保理制裁も受け、自ら反論するしかないまでに追い込まれているのかもしれない。

 北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相は、金正恩氏の「超強硬対応措置」について太平洋上での水爆実験の可能性を語った。方法は不明だが、弾道ミサイルに搭載し発射すれば、実験どころではなく核攻撃も同然だ。また、船舶を利用しての実験は事前に探知され、実現は難しい。