商工中金 企業体質の甘さ露呈 不正融資の調査でお粗末な実態

 不正融資問題を調査する職員が過去に不正に関与していたと22日に発表した商工中金。お粗末な内部調査の実態が発覚したことで、企業体質の甘さが改めて露呈したといえる。コーポレートガバナンス(企業統治)の欠如は明らかで、経営責任のみならず、安達健祐社長らOBを送り込んだ経済産業省の監督責任も問われることになる。

 「全容解明がしっかり行われるのを重視する。調査の完了時期は、多少の変動はあり得る」。世耕弘成経済産業相は22日の記者会見で、国の危機対応融資以外にも不正がある可能性が浮上したことについてこう述べ、商工中金に徹底した調査を求めた。

 政府が5割近い株式を持つ商工中金は小泉純一郎政権時代に民営化が決まり、その後、株式会社化された。しかし、リーマン・ショックや東日本大震災などで政府系金融機関の重要性が高まり、完全民営化が先送りされた経緯がある。

 今回、国の制度融資で不正を繰り返した上、それさえも隠そうとする隠(いん)蔽(ぺい)体質が露呈したことは、政府系金融機関の信頼を揺るがしかねない。先送りされた民営化議論が、再燃するのは必至だろう。

(飯田耕司)

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