棟方志功の版画がカラーコピーにすり替えられた?! 観覧者が偽物指摘、3年間隠蔽 深まる謎「まるでミステリー」 

 また、搬送は棟方の展覧会(新収蔵作品展)を担当していた同美術館の学芸員1人と搬送業者3人が行い、葉山館の収蔵庫に保管。収蔵庫は同美術館が指定した特定の学芸員しか出入りが許されていない。

 約8カ月後には、鎌倉別館で開催される棟方の展覧会のため、同じ学芸員1人と業者3人で搬送した。

 県は今年4月17日に事実関係を公表。県と財団は同25日、盗難の可能性があるとみて県警加賀町署に被害届を出した。同署は昭和49年10月16日から平成26年4月10日までを対象に捜査。当時同ホールと同美術館にはA3判を超えるカラーコピー機はなかったため、捜査関係者は「持ち出して専門的な印刷屋や知人などに頼み、カラーコピーした可能性もある」と話す。

 そもそも偽物にはいくつもの不自然な点があった。本物は和紙に刷られていたが、偽物は普通紙。額を外せば一目で分かるカラーコピーだった。

「覚えていない」

 原画は台紙から四角く切り取られ、台紙ごと複写された偽物が上下逆さまの状態で額の裏に貼り付けられていた。すり替え時のミスを隠すためか、額をつり下げるひもを通すための金具の位置を付け替えた痕跡もあり、額縁も逆にして展示していた。