棟方志功の版画がカラーコピーにすり替えられた?! 観覧者が偽物指摘、3年間隠蔽 深まる謎「まるでミステリー」 

 同ホールでは、事態発覚直後の同年5月から耐震改修に伴って休館しており、その期間を利用して、ホール内の倉庫などに保管されていた全ての備品を対象にした大捜索を行ったが、原画は見つからなかった。当時、直接捜索にあたった3人の職員と、幹部職員にしか、偽物とは知らされなかった。

 カラーコピーの顔料を分析するため、コピー機やインクのメーカーに対する調査も行ったが、紛失の事実が明るみになることを恐れ、偽物を見せることはしなかったという。

 これまで本物であると確認した記録は一切なく、鎌倉市内にあった棟方のアトリエから、県側が原画を受け取り、緞帳の制作会社に手渡されるまでの経緯さえもはっきりせず、手探りの調査が進められている。

 緞帳の制作後は額に入れ、主に同ホールの専務理事室や特別会議室などに飾られており、いずれも一般の来館者が立ち入れる場所ではない。

持ち出してコピーか

 版画は9年11月に同ホールのギャラリーで初めて一般公開された。当時棟方の版画は専務理事室に飾られており、一般公開を企画した同ホールの学芸員1人が、同室から直接ギャラリーに移動させたとみられる。その後、25年7月30日に同ホールから「同美術館 葉山館」(葉山町)に搬送された以外に、外に持ち出した記録はない。