浪速風

いくら商売繁盛でも古都のバブルが心配だ

大勢の観光客でにぎわう伏見稲荷大社=京都市伏見区
大勢の観光客でにぎわう伏見稲荷大社=京都市伏見区

京都の伏見稲荷大社が訪日外国人に人気ナンバーワンとは知らなかった。世界最大の旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」で日本の観光地として4年連続1位という。朱色のトンネルのような千本鳥居がエキゾチックに映るのだろう。どうやら毎日が初詣のにぎわいのようだ。

▶さすが商売繁盛の神様である。国土交通省が発表した基準地価で、周辺の地価が前年より29・6%も上がって、全国の商業地の上昇率トップになった。京都は商業地上昇率ベストテンに5カ所が入り、住宅地も上がった。インバウンド効果だが、喜んでばかりもいられまい。

▶古都の魅力は歴史的な街並みがあってこそで、投機の対象にしてはいけない。バブルの再来が懸念される今こそ、司馬遼太郎さんの遺稿を思い出したい。「土地を無用にさわることがいかに悪であったかを-思想書を持たぬままながら-国民の一人一人が感じねばならない」(「日本に明日をつくるために」から)