ふるさと納税の有効活用事例紹介 野田聖子総務相「成果が問われている」 子育て支援の上士幌町を視察

野田聖子総務相=4日、東京・霞が関(寺河内美奈撮影)
野田聖子総務相=4日、東京・霞が関(寺河内美奈撮影)

 野田聖子総務相は21日、ふるさと納税の寄付金を子育て支援に特化して使い、人口増加につなげた北海道上士幌町など、全国の寄付金活用の成功事例をとりまとめる考えを明らかにした。全国の自治体に、寄付金の使い道を寄付者に明確にすることなどを求める大臣書簡も出す。同町を視察後に記者会見した野田総務相は「ふるさと納税の寄付金でどういう成果が上げられるかが問われている」と述べた。

 また、野田総務相は、地域での起業や移住を希望する人を寄付金で支援する仕組みの導入も自治体に対して促す考えも示した。ふるさと納税の使い道を強調する一連の施策は10月にとりまとめて公表する。

 ふるさと納税は、自治体も寄付金集めのために返礼品に力を入れる傾向にあり、返礼品競争が過熱しがちだ。しかし、総務省は寄付金をどう使うかを自治体に意識してもらうことで、ふるさと納税の競争が過熱する年末を前に、制度の本来の趣旨に立ち返ってもらう考えだ。

 一方、野田総務相は、4月に総務省が全国に発出した、返礼品を寄付金の3割以下とすることや家電を提供しないことなどを示した通知に反して、家電などを返礼品として提供している一部の自治体に「通知をほごにするつもりはない」と述べ、クギを刺した。野田総務相が8月の就任後、「返礼品は自治体に一任する」考えを示したことを受けて、一部の自治体が、いったん辞めた家電の返礼品を再開しており、これに不快感を示した形だ。

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