ごみ拾いを始めたのは、48歳で引っ越してきたとき、ポイ捨てのあまりのひどさに驚いたのがきっかけ。「どこからこんなにごみが出てくるのか」と疑問に思い、近くの陸橋から1週間観察していたら、車からポイ捨てする人が多いほか、風の影響もあって駅前がごみの吹きだまりになっていることが分かった。
「美しい街に変えたい」と、平成4年に清掃ボランティアの団体を設立。月1回の清掃活動を行いながら、13年からは1人で毎日清掃を行うようになった。
8年後の21年、当時71歳だった北村さんの体調を心配する周囲の声もあり、連続3千日を達成したのを機に引退した。しかし、清掃活動がストレス発散や体調維持につながっていたことにも気づき、またごみ拾いを再開したいという思いが頭に浮かぶようになった。
そして、27年の元日から活動を再開。以前は通勤客がポイ捨てしたり、車が信号待ちで停止したときに灰皿の中身を捨てる場面に出くわしたりもしたが、最近はそれも減った。「周囲がきれいなら、ごみを捨てようとはならない。ごみがごみを呼ぶんです」。