国民の自衛官 横顔(3)

急患空輸9000回 離島の「命」をつなぐ 陸自第15ヘリコプター隊

【国民の自衛官 横顔(3)】急患空輸9000回 離島の「命」をつなぐ 陸自第15ヘリコプター隊
【国民の自衛官 横顔(3)】急患空輸9000回 離島の「命」をつなぐ 陸自第15ヘリコプター隊
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 昨年10月4日、離島から急患を搬送する緊急患者空輸(急患空輸)9000回を達成した。沖縄県知事からの要請で容体が芳しくない新生児を宮古島(宮古島市)から本島の那覇市に運び、尊い命をつないだ。

 沖縄の本土復帰に伴い昭和47年11月、那覇駐屯地に配備された。前身の第101飛行隊が翌12月に粟国島(あぐにじま=粟国村)から初の急患空輸を行って以来、約45年もの間、同県全域と鹿児島県奄美大島以南を24時間体制でカバー。8月末現在で、急患空輸9161回、空輸人員9514人を数え、両県民に安心、安全を提供し続けてきた。

 本来の任務は島嶼防衛の最前線に立つ陸自第15旅団隷下部隊の航空輸送や戦闘支援。しかし、県や民間の救急ヘリでは航続距離が届かなかったり、夜間飛行運用が不十分だったりする場合は荒天を顧みず出動する。

 危険度は高く、過去に7人が殉職、添乗の医師1人が死亡した。悲劇を風化させまいと施設内に置かれた「安全啓発室」には事故機体の残骸や捜索写真、当時の新聞記事などが並ぶ。総勢約200人の隊員は同室で「安全」と「鍛錬」を誓い、9000回超の任務遂行につなげてきた。

 「引き続き国民のために安全飛行に努め、任務に邁進していきたい」と隊長の古賀幹徳(もとのり)1等陸佐(49)。急患空輸後、元気になった人から感謝の手紙が届くことも多いといい、ある隊員は「大きな活力になるとともに責務の大きさを感じる」と表情を引き締めた。(高木桂一)