【話の肖像画】バレエダンサー ミハイル・バリシニコフ(1) あえて自分を賭けてみる(2/3ページ) - 産経ニュース

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バレエダンサー ミハイル・バリシニコフ(1) あえて自分を賭けてみる

 まず、幸運にも有能な振付師、演出家、芸術を愛する人々と、貴重なコラボレーションの機会を重ねることができたことが大きいでしょう。その前提の上で、バレエダンサーのすべき仕事は、振付師の手足となって、自分なりに表現する言語を生み出していく作業だと考えています。ちょうど歌手が自分の最良の声を探し当てたり、俳優が最良の声質を追求するようなものに似ています。韻律を変え、最低音から最高音まで吟味するようなイメージです。同じことが、バレエというボディーランゲージでも必要なのです。

 他のインタビューでも繰り返し言ってきましたが、私の好きな言葉に、米国の舞踏家で何度も共演したマーサ・グレアムが語った「肉体は嘘をつかない」というものがあります。自分のスタイルを確立した芸術家というものは、その肉体=パフォーマンスを見せただけで立ち所に芸術的な真実を理解させることができる、という意味でしょう。より具体的に言えば、ピアニストが演奏するとき、その音で演奏者が誰だか分かるという感覚です。バレエダンサーにも同じことが当てはまります。グレアムの言葉は真実だと思います。