「スパイ容疑で日本人逮捕」中国紙報道 大連で5月に拘束の男性か

 【北京=西見由章】中国遼寧省の日刊紙「大連日報」は18日、大連市国家安全局がスパイ活動に従事した疑いで取り調べていた日本人1人について同日、正式に逮捕されると報じた。大連では5月に60代の日本人男性が拘束されており、同一人物の可能性もある。

 同紙は拘束した日本人を「ビジネスマン」とし、実名も掲載した。中国外務省の陸慷報道官は18日の記者会見で、報道に関して「関係部門が中国の国家安全に危害を加えた疑いのある日本人を調査している。領事協定に基づいて日本側に通報した」と述べた。5月に拘束された男性と同じ人物なのかや、逮捕の真偽については言及しなかった。

 北京の日本大使館によると、18日夕の時点で中国側から日本人を逮捕したとの通報はない。ただ拘束と違って逮捕手続きでは連絡がないケースもあるという。

 18日は満州事変の発端となった柳条湖事件から86周年にあたり、「逮捕」情報と関連付けて報じる中国メディアも目立つ。治安当局が愛国心をあおるため、この日を選んで逮捕手続きに踏み切った可能性もある。

 2015年以降、スパイ行為に関わったなどとして明確な情報公開もないまま中国当局に拘束された日本人は12人に上り、7月に解放された4人を除く8人が現在も拘束されている。

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