「懐かしさ」だけが見どころではない。「スポ根」や「男の友情」ものが作品の多数を占めていた80年代前半、鳥山明さんのポップな絵柄が特徴的な『Dr.スランプ』(80年連載開始)がいかに画期的な作品であったかなど、漫画史の観点からも学ぶことは多い。同展を担当する集英社コンテンツ事業課の金田洋さんは「当時の『ジャンプ』は、『マガジン』や『サンデー』などの先行組を追いかけ、急激に成長していった熱い時代。豊富なラインアップと熱量を肌で感じてほしい」と語る。
一方の「コロコロコミック」は、『ドラえもん』(藤子・F・不二雄)がたっぷり読めることを触れ込みに77年に創刊。川崎市の藤子・F・不二雄ミュージアムで開催中の「ドラえもん×コロコロコミック40周年展」では、『大長編ドラえもん』など、同誌に掲載された藤子さんの貴重な原画約180点を展示。当時の担当編集者らによる、執筆の舞台裏も明かされる。
創刊号から今年5月号まで、約40年分の雑誌469冊を集めた展示も壮観だ。和田誠編集長は「創刊当時の熱気や、その後のドラえもんブームなどについても紹介されており、『コロコロ』とドラえもんの魅力が改めて伝わる展示となっている」と話している。(本間英士)
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「週刊少年ジャンプ展 Vol.1」は10月15日まで、一般2千円。「ドラえもん×コロコロコミック40周年展」は来年1月15日まで、一般1千円(入場には事前予約が必要)。