菅義偉官房長官の記者会見で朝日新聞記者が追及 野党時代の発言引き合いに批判したが…

記者会見する菅義偉官房長官=9月7日午前、首相官邸(斎藤良雄撮影)
記者会見する菅義偉官房長官=9月7日午前、首相官邸(斎藤良雄撮影)

 菅義偉官房長官の定例記者会見で舌鋒鋭く迫るのは、東京新聞の望月衣塑子記者だけではない。12日の記者会見では、朝日新聞の南彰記者が菅氏の説明責任を追及した。ただ、事実関係の認識に疑問符がついた。

 菅氏は12日の会見で、学校法人「森友学園」(大阪市)への大阪府豊中市の国有地売却をめぐり、財務省近畿財務局の担当職員が「(学園の希望額に)近い金額まで努力している」と学園側に伝えた音声テープを大阪地検特捜部が入手したとの報道について「現在、大阪地検において捜査中だ。政府としてコメントすることは控えたい」と述べた。

 ここで南氏が「捜査中だから答えられないというが…」と参戦。自民党が野党だった平成22年の衆院予算委員会で菅氏が、小沢一郎民主党幹事長(当時)の資金管理団体「陸山会」による土地購入をめぐる政治資金規正法違反事件について、当時の鳩山由紀夫首相を追及した過去を取り上げた。

 南氏は「(菅氏は)『捜査は捜査だが、真相解明していくことが大事だ』ということで、捜査中の案件についても説明責任を政府に求めてきた」と指摘した上で、当時の菅氏の言動に照らし「なぜ今回は答えないことが許されるのか」とただした。

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