北朝鮮核実験

サッカーW杯、カタールの施設建設に北朝鮮労働者 湾岸諸国に数千人規模

 【カイロ=佐藤貴生】軍事挑発に対する経済制裁などを受けている北朝鮮は外貨獲得のため中露や東南アジア諸国のほか、中東地域にも労働者を送っている。AP通信は7月、ペルシャ湾岸諸国を中心に数千人規模に上ると報じていた。

 APによると、北朝鮮の労働者約1500人が働いているアラブ首長国連邦(UAE)では、軍事基地の拡大事業に従事している者さえいるという。

 UAEはイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)をめぐり、シリアで空爆などを行う米国主導の有志連合の参加国だが、過去には北朝鮮から弾道ミサイルを購入したこともあったとされる。

 また、2022年のサッカー・ワールドカップ(W杯)主催国カタールでは、施設建設などで2000人が働いている。APに対し、北朝鮮労働者らには新規の査証(ビザ)は2015年から発給していないと回答した。クウェートは8月、北朝鮮との直行便を廃止し、労働者へのビザ発給を停止したと発表した。

 一部の北朝鮮労働者は、外部と接触して脱走するのを避けるため、夜間のみ労働を課せられているという。

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