「青い目の日本茶伝道師」 お茶に魅了されたスウェーデン人が提唱する日本茶の新しい楽しみ方

 ふだん意識することはないが、私たちが普通に飲んでいる煎茶はブレンドされたお茶。さまざまな茶農家が出荷した荒茶を、茶問屋がブレンドして仕上げ、商品化している。この仕組みによって、味も価格も安定した商品を毎年作ることができる。

 品種は日本の生産量の75%を占める「やぶきた」がほとんどで、その年の天候や土地、作り手の個性や特徴が強く出ることはマイナス要素と捉えられがちだ。

 一方、日本には「やぶきた」以外にもお茶の品種が100種以上ある。ハーブやフローラルな香りと少し強めの苦みが特徴の「香駿(こうしゅん)」、ほのかな桜葉の香りが感じられる「静7132」、シャープな山の香りが印象的で力強い「おくひかり」など、香りも味もさまざま。こうした品種茶を飲んで、「お茶の概念が変わった」という人が多い。

 ブレケルさんが「茶茶の間」で飲んだ「秋津島」は、静岡市葵区横沢の産地、東頭(とうべっとう)の茶園で作られた最高級の「やぶきた」種だった。寒暖差が大きい標高800メートルで高地栽培された東頭のお茶は、ブレケルさんいわく「日本の山の香りそのもの」。日本一高価なお茶としても知られ、100グラム1万円もする。

 「でも、10グラム使ったら1000円で5煎くらい飲めるのだから、液体に換算するとその辺のカフェのアイスコーヒーや居酒屋のビールより安いかもしれません」

 こうしたウイスキーでいえばシングルモルトのような「単一農園単一品種」のお茶を、最近では「シングルオリジン」と呼ぶようになってきた。日本茶全体に占める割合はわずかだが、日本茶カフェやインターネットなどで販売が増えている。

 「こういうふうにお茶を飲み始めると、ものすごく面白くて、日本茶をリプレース(代替)するものはない」

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