田中一世の政界徒然草

参院自民党に新たなドンが誕生か? 青木幹雄氏譲りの老獪さ 国会終盤に秘めたる腕力見せつけ…

 野党は「乱暴だ」と批判したが、吉田氏はすぐさま次の手も打った。16日に首相が出席する参院予算委員会の集中審議を押し込み、学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設計画をめぐる問題を予算委で追及したい野党に最後に花を持たせた。

 会期延長を回避したことで、東京都議選(7月2日投開票)の選挙戦と会期が重ならずに済んだ。都議選を国政選挙並みに重視する公明党にも恩を売ったわけだ。

 首相は国会閉会後の6月19日と29日、立て続けに吉田氏ら参院幹部を夜の会食に招いて「皆さんにご苦労や迷惑をかけた」と慰労するなど、かなり気を使った。

 そして、東京都議選で自民党が惨敗した翌日の7月3日、党本部で開かれた臨時役員会。冒頭撮影の報道陣が退席した後、吉田氏がこう切り出した。

 「一致結束して安倍首相を支えていこう。この場で、それを合意しよう」

 その後、二階俊博幹事長(78)が引き取る形ですべての出席者の合意を得た。窮地に陥った首相にとって大きな助け舟になっただろう。

 昨年秋の臨時国会では、「衆院にモノを言う」姿勢を見せた。カジノを含む「統合型リゾート(IR)整備推進法案」が衆院で可決され、参院に送付された後、法案の一部を修正して衆院に送り返し、再可決させたのだ。

 「参院より格が上」との思いがある衆院側の一部からは反発が起きた。参院側では「参院は『衆院のカーボンコピー』ではない」との姿勢を示したとして支持された。

会員限定記事会員サービス詳細