【ソウル=桜井紀雄】韓国を代表する北朝鮮研究者の鄭成長(チョン・ソンジャン)・世宗研究所統一戦略研究室長が産経新聞とのインタビューで、北朝鮮は「水爆実験に完全に成功した」との分析を示すとともに、北朝鮮の核攻撃を抑止するため、日本と韓国が「同時核武装」を検討すべきだと提言した。北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)開発は、対米交渉ではなく、韓国侵攻に最終目標があるとも指摘した。
鄭氏は、日米や中国の解析を基に、北朝鮮が広島型原爆の10倍の威力を持つ水爆実験に成功したとの見方を示し、韓国が固守してきた朝鮮半島非核化宣言は「いまや意味がなくなった」と指摘。「韓国政府が先に非核化の破棄を宣言すべきだ」と主張した。
また、北朝鮮に対抗するには、日韓両政府が同時核武装を水面下で協議する必要があると提言。米国が日韓の核武装に警戒感を示す中、「米国は一国なら反発するが、同時なら、中国も牽制できて米国の国益にかなうと説得力を持たせられる」と語った。