阿比留瑠比の極言御免

北朝鮮より安倍晋三首相が悪いのか? 野党&メディアの倒錯した政権批判を斬る

北朝鮮の弾道ミサイル発射に関する参院外交防衛委員会の閉会中審査で質問する共産党の井上哲士氏=8月30日午後、国会・参院第24委員会室(斎藤良雄撮影)
北朝鮮の弾道ミサイル発射に関する参院外交防衛委員会の閉会中審査で質問する共産党の井上哲士氏=8月30日午後、国会・参院第24委員会室(斎藤良雄撮影)

 北朝鮮の核・ミサイルという今そこにある危機からは目をそらし、現実離れした感情論や臆測で、気に入らない相手を批判するだけの言説が横行している。観察すると、おおむね2つのパターンがあるようだ。

 一つは、「北朝鮮がどうあれ、とにかく悪いのは原因を作った日本側」という見方で、もう一つは「徹頭徹尾、とにかく安倍晋三首相が悪い」という意見である。両者とも根拠は見当たらないが、当人たちは深刻な顔でそう訴えている。

 さらに前者と後者が混合した意見や、「対話」について、唱えれば問題が解決する魔法の言葉だと信仰するかのような声も加わり、もはや訳が分からない。

 「無条件の直接対話が米国、北朝鮮間に必要だ。無条件の直接対話に踏み出すように求めていくことが必要だ」

 共産党の井上哲士参院議員は5日の参院外交防衛委員会の閉会中審査で、こう説いていた。だが、北朝鮮に核・ミサイルを自ら放棄する考えが全くないのは、すでに国際常識だろう。

 だとすると井上氏は、日本は米国に、北朝鮮が「核保有国クラブ」の一員となることを認めるよう働きかけろと言っているのか。核保有国たる北朝鮮の脅しと要求に、唯々諾々と従う日本こそが、好ましい将来像だと思っているのか。

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