古文書から肉声が聞こえる(5完)

海外でも人気の忍者、楽しく実態解き明かす 歴史学者・磯田道史さん

民家に伝わる古文書を確認する磯田道史さん(右)。「忍者研究はとても楽しい」と話す=滋賀県甲賀市
民家に伝わる古文書を確認する磯田道史さん(右)。「忍者研究はとても楽しい」と話す=滋賀県甲賀市

 --研究一筋の先生を支える奥様との出会いについて教えてください

 磯田 36歳の時、東京・青山のギャラリーで出会ったのですが、私を見て「うちのおばあちゃんに顔が似ている」と言うんです。聞けば、彼女の母方の家系は僕と同じ岡山で、両方の曾祖父の家は、15〜20軒くらいしか離れていない近さにあった。江戸時代なんかだと、地域の大字の中で30%くらいが結婚しているから、顔が似ているのも理由がないことではない。親近感を覚えましたね。

 --しかも、2人は東京で出会っている。その確率がすごいです

 磯田 僕はなんか妙にヤマ勘が働くのか、引き寄せるんです。これまでの古文書の幾多の発見も、偶然とばかり言えないような。そういう運や勘というのは、生涯の上でありがたいことだと思っています。

 --1男1女に恵まれ、昨年からご家族で京都にお住まいです。国際日本文化研究センターに移られたのはどうしてですか

 磯田 西の方の天災の歴史と、あと忍者研究を究めたいからです。伊賀・甲賀も近いですしね。

 --なぜ、忍者なのでしょう

 磯田 忍者は隠れているものだから、実在さえ疑われたりもしていた。そういう見えなくなっているものは非常に重要で、興味があるんです。あと、海外で人気がある日本のコンテンツといえば忍者です。実際の忍者の実態を明らかにしておかないと、映画やアニメなどでフィクションするにしたって、基礎工事ができてないわけですよね。